SWCあいの実は、2023年4月に待望の医療型ショートステイ『あいの実ストロベリー』を含む複合施設を宮城県仙台市泉区に開所予定です。『あいの実ストロベリー』は重症心身障がい児者のための短期入所で、診療所が併設されます。『あいの実クリニック』と命名された診療所の顧問に、今井尚志先生が就任されます。
先生は現在、富山県内幸町在宅クリニック院長であり、宮城県仙台徳洲会病院で神経難病患者の担当もされています。
今井尚志先生は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経難病の治療に長年取り組んで来られた神経内科の権威です。さらに、千葉県の国立病院に勤務していらした時代に重症心身障がい児の病棟でご活躍された経験もお持ちです。
今井尚志先生は、『障がい児の慢性的疾患や予後不良の症状へのケア』や、『患者・患者教育』『障がいを持つ子たちの生活クオリティ問題』にも熱心に取り組まれています。医ケア児者ファミリーの生きがい創りに取り組むあいの実が、まさに必要としている知識や経験をお持ちです。
今井尚志先生と、あいの実理事長乾祐子との対談より先生の言葉の一部をご紹介します。
障がいに対する治療と、患者・患者家族教育
「障がいに対しての治療をどうするのか考えてやってきた」と今井先生は語ります。先生は、福祉用具が未発達であった昔から、『障がい児の身体に合わせ、姿勢を最適に保つ椅子』を車椅子制作業者と共に作成されてきました。障がい児とそのファミリーの生活クオリティの向上に深い造詣をお持ちです。
今井先生は、障がい児やご家族が持つべき意識についてもこう話されます。
「障がい者や家族も社会の一員として、どう生きるかチャレンジするべき。嘆いているだけなら、援助する人はいなくなる。本人の魅力次第、という事を、徹底的に伝えなくてはならない」
医療はサポート役、あくまで福祉が障がい児へのメインの援助だと今井先生は強調されます。
「患者、家族、スタッフの三者で成り立つ」
今井先生は患者の家族に、充実した福祉制度を活用しつつも、制度に頼り過ぎない姿勢を期待されます。人間関係は制度からは引き出せず、障がい児者とその家族が自分たちで築いてゆくもの、というお考えです。あいの実の思い描くファミリーと社会の関係も類似しています。あいの実の『仙台あばいんプロジェクト(ファミリーの生きがい創りのプロジェクト)』も、福祉制度の中のスタッフのみならず、隣近所もファミリーに手を差し伸べる、原点に回帰した福祉社会を望んでいます。
人間関係は制度からは引き出せない
障がい児者とその家族が
自分たちで築いてゆくもの
「援助の輪を広げサポートを途絶えさせないために、障がい児を抱える家族は魅力的な家族にならなければならない。そのすべを知らなければならない」
今井先生は、障がい者ファミリーが『魅力的な家族』になってゆくステップを『教育』と表現されました。『教育』には長い時間が関係します。厳しいようで愛情に満ちた表現です。
あいの実クリニックの役割
医療型ショートステイに併設するあいの実クリニックの位置づけを、今井先生はこう定義されました。
「あいの実クリニックとは保護者。利用者とスタッフの、緊急時の架け橋だ」
「あいの実クリニック」とは?介護と医療の橋渡しか、はたまた利用者を支える柱の一本か。どれも違う、と今井先生は断言されます。
「医療はベースになると思う。下になって、安定しているんだ。建物の免震装置のようにね」
緊急時や重大な局面を迎えた時、障がい者やその家族に対して医師にしか言えない言葉がある、と今井先生は語ります。
「クリニックは緊張や不安を吸収できると思う。利用者が心地よく暮らし、スタッフが安心して仕事できるようにね」
今井先生は緊急時の砦となり、介護スタッフと利用者の間の信頼関係をさらに確かなものにしてゆくはずです。
SWCあいの実の医療型ショートステイやクリニックを含む複合施設を、2023年3月25日の内覧会でご覧頂けます。どうぞフォームよりお申込み下さい。
https://forms.gle/eanrDWKEVRxGevtv8
複合型施設を舞台に、ファミリーの生きがい創りに取り組む「仙台あばいんプロジェクト』が進行中です。就労支援や療育を取り入れたイベントに取り組むプロジェクトです。プロジェクトへのご理解、ご支援をお願いします。
2023年3月15日23:00までクラウドファンディング実施中
「医ケア児ママのカフェを建てたい!資材・燃料費高騰につき緊急のお願い」と題してクラウドファンディングを実施中です。どうぞご支援よろしくお願いいたします。