Gaze Art Book 完成~視線が紡ぐ奇跡 テクノロジーが生む感動~

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2024年12月、『GAZE ART BOOK』が完成しました。
視線入力で表現された作品のアート性や魅力が
存分に引き出されています。

あいの実をご利用されるアーティストたちが手がけた作品が、グラフィックデザイナーの監修のもと、一冊のART BOOKとして結実しました。本書は、視線入力という先進的なテクノロジーを駆使し、アート表現の新たな地平を切り開いた意欲作です。

■視線入力アートの極致に挑戦

一般的に、視線入力による作品は、線や点を基調としたカラフルな抽象画として知られています。しかし、本書に収録された作品群は、その枠に留まることなく、各アーティストの感性と独創性を際立たせるものとなっています。デザイナーの指導と視点が加わることで、子どもたちの作品が秘める可能性が鮮やかに引き出されました。大胆で洗練された配色や繊細なドットによる柔和な表現、または隠されたメッセージ性が、作品ごとに異なる物語を紡ぎ出します。視線入力アートの極致に挑戦し、その多様性と深みを余すところなく伝える内容となっています。

本書を手に取ることで、視線入力が生み出す表現の幅広さ、そしてアーティスト一人ひとりの個性が放つ輝きを存分に堪能していただけることでしょう。

■DoNA-新たな表現形態

『GAZE ART BOOK』は、テクノロジーが切り拓く新たな表現の世界を映し出しています。視線入力装置を用いて、重症心身障がいを持つ人々の内なる世界が形になりました。彼らの作品は、単なるアートではありません。意識とテクノロジーが融合し、他者の力を借りながらも生まれた新たな表現形態です。この新しい形態を、言葉にも指にもよらない感性の抽出にちなみ、『Draw out Neuro Art(DoNA)※』と名づけました。 

関わるクリエイター・デザイナーたちが彼らの視線の軌跡をデザインとして昇華させることで、作品はより深い意味と価値を持つものとなります。将来的には脳波などの入力方法も取り入れ、表現の可能性はさらに広がっていくことでしょう。DoNAは彼らの存在と可能性を社会に発信します。作品をご覧になる皆さまに『GAZE ART BOOK』に纏わる背景を知っていただき、自らがアートの意味を見出されることが、DoNAの核心と言えます。 

■自立に向けたプロジェクトの始動

『GAZE ART BOOK』の制作は、2023年度清水基金・文化芸術活動特別助成事業への申請『テクノロジーと制作化により、障がい児アートを社会に発信する事業』の採択を機に施行されました。視線入力のテクノロジーを活用した作品を、クオリティを重視したアートブックに昇華するプロジェクトであり、療育レベルの向上、視線入力の素地づくり、医療的ケア児者のポテンシャルの分析とエンパワーメントに取り組みました。

清水基金様を始め、障がいを持つアーティストたち、療育と制作に携わった方たち、ご支援者に心から感謝いたします。『GAZE ART BOOK』は、あいの実関係者やご支援者、医療・福祉施設や学校、図書館に寄贈する予定です。

社会福祉法人あいの実では、アートブック制作の経験を、医療的ケア児者の自立的収入源と分配を意識したプロジェクトに生かしていきたいと考えています。

GAZE ART BOOKは申請プロジェクトのプラン内で制作され、冊数に限りがあります。寄贈先、入手方法のお問合せはこちらにご連絡くださいavain@ainomi.com

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