令和7年度 事業報告

令和7年4月1日から令和8年3月31日まで
基本理念
「人からしてほしいと思うことを、人にする」

事業概要

法人

令和7年度は、法人の経営基盤の強化と事業運営体制の整備に注力した一年となりました。基本財産となる土地を新たに取得して資産基盤を拡充するとともに、報酬改定への対応として生活介護事業を多機能型として一体運営する体制へ移行しました。また、各種規程の整備を進めました。職員が安心して長く働ける環境づくりと、地域の福祉ニーズに応える質の高いサービスの提供を目指し、多岐にわたる活動を展開いたしました。

事業

法人本部

法人全体の運営を円滑に進めるため、本部機能の整備と業務の標準化に取り組みました。令和7年度は、個人情報保護規程、リモートワーク・セキュリティガイドライン、カスタマーハラスメント防止規程、寄附金等取扱規程、永年勤続表彰規程など、法人運営の基盤となる諸規程の制定・整備を進めました。また、役員及び評議員の報酬等の支給の基準を見直しました。人材育成の面では、外国人介護人材の受け入れと育成を目的とした研修機関「オレンジアカデミー」において授業を行い、将来的な人材確保とサービスの多様性の確保に努めました。

訪問事業(訪問介護・居宅重度訪問・移動支援)

新規のご利用者を継続的にお迎えする一方で、事業全体としては売上が横ばいから減少の傾向にありました。業務の標準化・効率化による職員の負担軽減に取り組みました。当事業所は地域でも有数の規模を有し、勤続年数の長いベテランスタッフや喀痰吸引等研修の修了者が多数在籍しており、質の高いケアを提供できる体制が強みとなっています。

あいの実クランベリー(児童発達支援・放課後等デイサービス)

令和7年度は、報酬改定への対応として、生活介護との多機能型一体運営へ移行しました。利用は安定して推移し、入浴支援や視線入力装置・各種スイッチを活用したコミュニケーション訓練など、子どもたちの可能性を広げる支援を継続しました。年度末には、卒業を迎えた児童を送り出しました。

あいの実ラズベリー(児童発達支援・放課後等デイサービス)

クランベリーと連携しながら、入浴支援や視線入力装置・スイッチ類を用いたコミュニケーション訓練などの専門的な支援を継続して提供しました。加算の取得が収支面の課題となる一方、制作活動やスイッチを用いた活動、クッキングなど多彩な療育活動に取り組みました。年度末には、卒業を迎えた児童を送り出しました。

あいの実ブルーベリー(生活介護)

令和6年度の報酬改定を踏まえ、クランベリーとの多機能型一体運営へ移行し、重症心身障がい者を主な対象とする生活介護を提供しました。また、令和7年度は、厚生労働省の障害者総合支援事業費補助金「特別支援学校卒業後における生活介護利用モデルの作成事業」の交付決定を受け(令和7年11月)、生活介護の利用モデルの作成に取り組みました。

ケアプランセンターあいの実(居宅介護支援)

前年度と比較して大きな変動はなく、安定した運営を継続しました。ご利用者数は堅調に推移し、人生の最終段階におけるケア(ターミナルケア)に関するご依頼が増加する傾向が見られました。地域の多様なニーズに応えられるよう、引き続き質の高いケアマネジメントの提供に努めました。

あいの実オリーブ(計画相談支援・障害児相談支援)

計画相談支援・障害児相談支援において引き続き多くのご相談をいただき、相談支援専門員が利用者を法人の多様なサービスにつなぐ重要な役割を担いました。年度末から年度初めにかけては、進学・進級等のライフステージの変化に伴う担当者会議の調整に数多く対応しました。

あいの実クリニック(診療所)

医療型短期入所あいの実ストロベリーの付設診療所として運営しました。令和7年度は、医療型短期入所の体制強化に向けて病床の確保(有床化)に取り組み、令和8年3月に病床設置の認可を受けました。あわせて、あいの実スタッフ向けの福利厚生としての診療も開始し、法人内・地域の医療提供体制の充実に努めました。

医療型短期入所あいの実ストロベリー

開設から日が浅い中で、登録者・ご利用者は徐々に増加し、短期入所や日中一時支援の利用も堅調に推移しました。一方で平均利用率には引き続き課題があり、利用のメリットの周知やサービスの魅力の発信に取り組みました。

仙台あばいんプロジェクト

法人の理念を具現化し地域社会とのつながりを深める広報活動として、医療的ケア児を持つ母親の就労機会を創出するカフェ「CAFE de CHILL MILL」の運営を継続しました。あわせて、寄付の導線の整備や情報発信の強化に取り組み、個人・企業から温かいご支援をいただきました。

ほのぴあ(医療的ケア児者・重症心身障がい児者ファミリー支援ピアサポート事業)

令和7年度は、仙台市との市民協働事業として、医療的ケア児者とそのご家族のためのピアサポート事業「ほのぴあ」に取り組みました。事業専用のウェブサイトを開設するとともに、オンラインでの相談対応を行い、医療事故や中途障害などをテーマとしたピア交流会(リアルイベント)を複数回開催しました。当事者・ご家族同士が経験や思いを分かち合える場づくりを進めるとともに、仙台市障害福祉課及び市民協働推進課と定期的に協議を重ね、ポスター等による事業の周知や、個人情報の適切な取扱いの整備に取り組みました。若林区を中心に多くのご相談が寄せられ、地域における医療的ケア児者とご家族の支援の充実に寄与しました。

その他(令和7年度の新規・特記事項)

令和7年度は、基本財産となる土地を新たに取得し、法人の経営基盤・資産基盤の強化を図りました。これに伴い、基本財産の追加及び変更に係る定款の一部変更を行いました。

理事会・評議員会

理事会・評議員会開催

令和7年度は、理事会5回、評議員会4回(いずれも臨時を含む)が開催されました。すべての理事会・評議員会で議事録が作成され、適切に保管されています。
業務執行理事からの報告も定款の定める範囲内で行われました。
令和7年度においては、基本財産の追加及び変更(西田中の土地取得に伴うもの)に係る定款の一部変更を決議しました(令和8年1月31日 評議員会決議。所轄庁手続の別・完了状況は要確認)。

令和8年度 事業計画

法人の基本方針

当法人は、医療的ケア児者とそのご家族が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指し、利用者に寄り添った質の高い福祉サービスの提供に努めている。
令和8年度は、既存事業の安定的な継続とサービス品質の向上を基盤としつつ、地域の多様なニーズに応えるための新規事業の準備および既存事業の機能拡充を図る。特に、専門職の人材確保と育成に注力するとともに、AIやICT技術を積極的に活用した業務効率化を推進し、スタッフが本来の対人援助業務に専念できる環境を整備することで、安全かつ持続可能な法人運営体制(ガバナンスおよび経営基盤)の強化を図る。

重点事業および各部門の取り組み

既存事業の安定運営と経営基盤の強化

各既存事業所においては、引き続き利用者の安全と安心を最優先とした安定的な施設運営に努める。また、法人全体の経営基盤をより強固なものとするため、人員配置やサービス提供体制の最適化を図り、算定可能な各種加算の取得に積極的に取り組むことで、収益構造の改善とサービスの質の向上を両立させる。

医療型短期入所事業の拡充(宿泊型ショートステイの開始)

医療型短期入所事業において、医療的ケア児者のご家族のレスパイトニーズに応えるべく、新たに宿泊を伴うショートステイの受け入れを開始する。
事業開始当初は、現状の人員体制と安全確保を第一に考慮し、段階的に受け入れ枠を拡大していく方針とする。将来的な全機能の本格稼働を見据え、引き続き看護職等専門スタッフの採用活動(人材確保)を強力に推進するとともに、既存スタッフの医療的ケア技術等の習熟に向けた研修体制の充実を図る。

オレンジアカデミーの開催と事業化推進

本年度、オレンジアカデミーについては計3回の開催を予定している。本事業が安定的かつ継続的な運営体制へと移行できるよう、積極的な広報活動を通じて地域住民や関係機関への周知を徹底する。また、適切な収支管理およびプログラムのブラッシュアップを行い、事業としての採算性を確保できる運営モデルの構築を目指す。

訪問看護ステーションの開設準備

地域の医療的ケアを必要とする方々に対し、よりきめ細やかな在宅支援を提供するため、新たに「訪問看護ステーション」の開設に向けた準備に本格着手する。
令和8年度中の事業開始を目標とし、指定申請等に係る法的手続き、人員基準を満たすための看護職員の採用活動、および地域医療機関や相談支援事業所等との連携体制の構築を計画的に進める。

仙台市との協働事業の推進(恒久事業化への取り組み)

「医療的ケア児とファミリーの多様な交流拠点を創る」を目的とした仙台市との協働事業(助成金事業)について、令和8年度も引き続き実施する。
本事業におけるピアサポート活動等の実績と成果を客観的に検証し、令和9年度以降における仙台市の恒久的な事業(制度化)としての位置づけを目指す。その実現に向け、仙台市担当部局と緊密に連携・協議を行いながら、官民一体となった事業展開を推進する。

人員計画・設備整備等

上記事業を遂行するため、必要な人材(特に看護職員・支援スタッフ)の採用を継続して行う。また、法人の規定に基づき、職員の処遇改善や働きやすい職場環境の整備に努め、定着率の向上を図る。さらに、各種業務システムやAIツールの導入・活用により、事務負担の軽減と業務フローの最適化を進める。