あいの実が運営する重心型デイサービス「あいの実ラズベリー」を利用してくださっている高橋幸太郎さんのお父さん(博明さん)お母さん(邦子さん)をお呼びし、乾理事長がインタビューしました。

乾:あいの実の通所サービスを知ったきっかけはなんでしたか?

邦子さん:もともと幸太郎があいの実の訪問介護を利用していて、ヘルパーさんから今度こういうサービスが始まるよと教えてもらったので飛びつきました。

乾:高橋さんのお家は早いうちから訪問ヘルパーを使っていましたね。訪問サービスを利用しない人が多いように思いますが、何か理由があるのでしょうか?

邦子さん:訪問のサービス自体については、区役所から紹介してもらいました。まわりのお母さんに聞くと、まだ子供が小さいから困ってない。むしろ人に家に来てもらうほうが気を使って大変だ、といってサービスを利用しないことが多いようです。自分たちは、ヘルパーさんという外部からの助けが入ることで、お母さんだけが大変なのではなく、手伝いがあるから大丈夫なんだよ、と他の兄弟達が安心できると思い、人との関わりを持つ機会にもなってほしかったので、赤ちゃんの頃から使っています。ヘルパーさんからの情報が入ってくることも良かったですね。お友達からの情報も大事にしていいます。どこの事業所がいいかなど通院の際にお母さんたちで集まって情報交換することがとても役にたっています。

乾:将来を見据えていらしゃったんですね。情報はとても大切だと感じます。放課後デイサービスの利用によって変化はありましたか?

邦子さん:息子が親から離れて一人でいる時間を持つようになったことは大きいですね。親が知らない「息子の時間」というのは初めてのことで、放デイが終わって迎えに行き、スタッフから今日の様子を聞くのを楽しみにしています。スタッフに連れられて一番町(仙台市都心部)まで出かけてきたこともあり、驚きつつとてもうれしく思いました。痛い時や苦しい時に人に伝えることができるようになり、着実にステップアップすることができています。学校を卒業してからも大丈夫だろうと安心しています。親自身も、スタッフに相談にのってもらったり、気づかなかったことを教えてもらえたりとても助かっています。

博明さん:息子が産まれて以来、夫婦二人そろって出かけることはできなかったんですが、あいの実を利用して初めて二人で外食に行くことができましたよ。自分のために歯医者や検診に行くこと、実家の両親の様子を見に行くこと、二人揃って御見舞に行くことなど、時間がとれるとはこういうことなのかと思いましたね。本当に大切な時間を頂いています。

乾:入浴サービスを知ってどう思われましたか?

博明さん:大変ありがたいです。今までは自分の体調が悪い時でも、子供のことを考えると入浴は一日たりとも休めませんでした。今は「明日はデイサービスでお風呂がある」と思うと、腰が痛い時などでも気持ちの余裕がもてます。家庭用の風呂で自分一人で抱えながら洗うと限界がありますが、放デイでは専門のスタッフ二人が、普段手が届かないところまで洗ってもらえます。子供が大きくなると体重が重くなってもきます。このサービスは最高ですね!

邦子さん:入浴以外の時にも放っておかれるのではなく、体位を変えたり関心を払ってもらえるし、少人数のおかげか、とてもよいケアを受けていると感じています。

博明さん:そもそも預かってくれるところもなかった頃からすると、預かってもらえて、お風呂にも入れてもらえるなんて素晴らしすぎますよ!

乾:うれしいお言葉です。わたしたちも「やってよかった!」と心から思います。今後どんなサービスを期待されますか?

博明さん:希望する人が必要とするサービスをきちんと受けられることを一番望みます。突然預かってもらいたいとなった時、例えば葬儀などに出席したいといった時にも対応してもらえるようなサービスがあると助かります。今は選択肢が少ないんですよ。将来その選択肢が増えてもらえると助かります。卒業式のシーズンなど本当に使いたい時にどこもいっぱいで、片親が出席してもう片親が家で見ているしかなく、ほかの兄弟たちに我慢させるしかなかったこともあります。

邦子さん:子供を見てもらっている間に温泉に入ってお昼ごはんを食べる日帰り温泉プランなんかがあったらうれしいですね。

博明さん:ぜひあいの実の駐車場でバーベキューやってください!

乾:今日は貴重なご意見ありがとうございました!

高橋さんご家族には仙台市で開催されたシンポジウムでも登壇いただきました。その時の様子を地元紙(河北新報)に取り上げていただきました。

医療的なケアのある人の入浴サービスにはリスクが伴いますし、お金もかかります。だからこそ支援すべき分野でもあります。