「人からしてほしいと思うことを、人にする」

あいの実の法人理念は、スタッフ一人ひとりが日々の支援で身につける行動の原則です。ご利用者とご家族に向き合うときも、ともに働く仲間や地域の皆さまと接するときも、私たちは法人理念に立ち返ります。

理念について

あいの実の法人理念は「人からしてほしいと思うことを、人にする」です。2005年に主婦の仲間たちとNPOあいの実を立ち上げたときから、私たちは法人理念を大切にしてきました。

古くから伝わる言葉に、孔子の「己の欲せざる所は人に施すこと勿かれ」があります。自分がされて嫌なことは、人にもしない。『論語』に残る教えで、2,500年が過ぎた今も色あせません。

ただ、「してほしくないことはしない」という戒めだけを突き詰めると、究極的には何もしないことが一番よいことになってしまいます。福祉の現場に立つと、嫌なことをしないだけでは届かない場面にたくさん出会います。困っているご家族の前で、失礼のないように黙って見守ることはできます。けれども、ご家族が本当に待っているのは、声を掛けて手を差し伸べてくれる人です。

あいの実の理念は、「己の欲せざる所は人に施すこと勿かれ」という戒めからもう一歩進んで、自分から動くことを求めています。してほしくないことを控えるだけではありません。自分が相手の立場だったら何をしてほしいかを考えて、こちらから行います。理念の言葉は「しない」ではなく「する」で結ばれています。

「痰の吸引ができないヘルパーさんでは困る」。お母さんのこの一言から、私たちは喀痰吸引に取り組み始めました。「体の大きくなったこの子のお風呂が大変」という声からは、入浴のできる放課後等デイサービスが生まれました。自分の子どもだったら何をしてほしいか。ご家族の声を聞くたびにそう考え、一つずつ形にしてきました。

もう一つ、心に留めていることがあります。自分がしてほしいことと、相手がしてほしいことは、いつも同じとは限りません。にぎやかに励まされたい人もいれば、静かにそばにいてほしい人もいます。ですから、まず相手の話を聞き、相手の暮らしを想像します。分からないときは、ご本人やご家族に尋ねます。理念を形だけでなぞらないために、欠かせない一歩だと思っています。

私たちはご利用者とご家族にとって伴走者であり、ご近所さんであり、友人でありたいと願っています。「人からしてほしいと思うことを、人にする」を胸に、スタッフとともに、これからも自分から一歩を踏み出していきます。

理事長 乾 祐子

社会福祉法人あいの実
創業者・理事長 乾 祐子


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