(READYFOR活動報告より)
(この話はノンフィクションです)
クラファン開幕を控えた6月某日。
閉店後のカフェドゥチルミルに、カフェ店長、あいの実専務理事、企画広報スタッフ数名が集合した。
なんと、取らぬたぬきの皮算用に集ったメンバーである。
企画広報スタッフがおもむろに、人気アウトドアブランド家具のカタログをテーブルに広げた。
「ー格好いいですねぇ」
専務理事がうなり、一同、若干擦り切れたアウトドアチェアの上で身じろぎをした。
今回ご支援により暫定購入予定のアウトドア家具は、デザイン性のみでセレクトしたものではない。
現在チルミルのチェア、テーブルは、寛ぎを重視しておおむね低め、柔らかめである。
最近の来客傾向。
ーありがたいことに『ご高齢』『ご腰痛』のお客様増加中!ー
に対応し、高さ、硬さを最適化したチェア、及びテーブルを購入する運びとなったのだ。
メンバーはメジャーを片手に、店内を練り歩いた。
ーご支援を、頂ければなんですがね。
をとなえながら、購入点数とレイアウトを確認し、リニューアル後の光景にしばし思いを馳せた。
閉店後のカフェは次第に熱を帯びてゆき、クラファン前の独特の高揚感に包まれる。
ー実はこの日、もうひとつ議題があった。
「ホットサンドーやっぱり頑張りませんか?」
家具カタログをそっと閉じ、静かに切り出す専務理事。
皆再び、やや色あせたチェアに座り直した。

実はチルミルにて、体験メニューの目玉であるホットサンドが『黒焦げ』になる悲劇が後を絶たない。時にチョココーティングされたかと見まごうほどのシックな様相になる。
以前よりメニュー存続か否かが審議されているのであった。
「でも、お客さんの体験で、焦げてしまうことも多くて」
眉根を寄せる店長に、専務理事がわかります、とうなずく。
「僕も焦がしました。見てなくて」
「どうでしたか?」
「真っ黒でした」
「食べたんですか?」
「食べました」
「どうでしたか?」
「苦いです」
店内に重苦しい空気が漂う。店長がぽつりぽつりと語り始めた。
ーホットサンドが真っ黒になった場合廃棄にせざるを得ないこと。
ーなかなか、ちょうどいいあんばいに焼くのが難しいこと。
ーお客さんの楽しい気分が台無しになるのを危惧していること。
企画広報スタッフから、店長の営業努力を労いつつも提案が出された。
ータイマーで焼き時間を管理すること。
ーバーナーの火加減は、お客さんでなくカフェスタッフが調整すること。
ーレクチャーの再徹底。
「焦げたらそれはそういう体験だったと、笑うくらいでいいのでは?」
体験型カフェに落とし込む案も出され、店長は概念論に納得し大きくうなずいた。
「わかりました。頑張ります!」
ー頑張ろう!
一同、クラファン達成とホットサンド克服への思いを固め、夕暮れのカフェを後にした。
ーともに、次の景色へ。
Words by Kana Kato (SWC Ainomi, Sendai Avain Project) / Cafe de Chillmill Staff
【追記・あの会議のその後】
・品質の良いホットサンドメーカー選びやレクチャースキルの向上により、黒焦げ事例は減少見込みです。
・カフェドゥチルミルでは、アウトドア家具やグッズ、店内機器、食材等に関係するご企業様からの応援を歓迎しています。